虫は生きている

この前家を出たときに、入り口を背にして左側にしばらく進んだところに黒光りする虫がいた。そう、アレだ。

ドアの前が吹きざらしのアパートなので、おそらく外から飛んできたのだろうと思われるが、そのとき思考が停止してしまった。すぐドアを開いて自宅に戻り殺虫剤を取り出すとそこら一帯に噴射しまくった。当然かの虫君はすぐさまお亡くなりになったのである。

……なんてことを書こうとしたがめんどくさくなった。やめだやめ。こんなことを書いても仕方がない。わはは。このブログは知人も見ているし、かっこつける意味もないのだ。

こういうめんどくさいとか、手間に思うとかそういう気持ちをなくすことからきっとブログ執筆は始まるんだろうね。と、ここまで書いて思ったが、これも前回の記事とほぼ同じじゃないか? まあいいか。

そんなわけで7月に読んだ本の話でもしよう。よもやこのタイトルから本の感想が飛び出すとは思うまい。ふはは、だまされたな。

7月はミステリを中心に読んでいたが、一番おもしろかったのは麻耶雄嵩の『貴族探偵』だ。

と、その前に、まず麻耶雄嵩をご存じかい? ミステリ作家なんだけど、本格ミステリの流儀に則りながらミステリをぶっ壊そうとする、「超ミステリ的」な小説を書く御仁だ。ちなみに筆者のお気に入りは『』だ。『夏と冬の奏鳴曲』という小説の続きなんだけど、どっちもミステリしていなくてとてもよい(この感想は両方読めばわかる)。

閑話休題。『貴族探偵』の話だ。例に漏れず今回も超ミステリ的な小説だ。短編集である。ドラマ化されたからその線で知っている人もいるかもしれないな(筆者はこのドラマ化というものが嫌いで以下略)。

まあいろいろと特徴はあるのだが、わかりやすいところを述べると、本作に登場する探偵は推理しない。捜査しない。基本的にお茶しているかくつろいでいるか女を口説いているだけだ。じゃあ捜査と推理は誰がやるんだ? それはだな……読んでから楽しんでくれたまえ。あまり言うとネタバレになるからね(いやーネタバレという言葉は便利だね!)。

普通のミステリに飽きた人、「後期クイーン的問題」が嫌いな人、変な小説が読みたい人(つまり筆者)にはぴったりの1冊だ。ついでに言うと麻耶雄嵩の中では比較的読みやすい部類でもある。

だんだんめんどくささが打ち勝ってきつつあるんで今回はここでしまい。あとで書籍リンクは貼っておくよ。アデュー!

余談ですが、筆者は本作だと田中さんが好きです。